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自社株移転の具体的方法
もちろん最後は相続ですので、後継者に重い税負担が待っています。
平成26年現在で課税価格3億超→最高税率50%(平成27年からは課税価格6億超で55%)ですから、優良企業の株式であればほぼ最高税率確定でしょう。
換金できない自社株であっても、相続すれば50%という税率で課税されます。
待っていればそうなってしまうのです。
待った結果、相続が争続になったりした結果、会社経営に大きな支障が出る可能性もあります。
ですから、なんとか税負担の減らし、経営の安定化を確保するために、相続前に移転ができないかということで考えるわけです。
移転する方法は大きく2つです。
「贈与」するか「譲渡」するかです。
贈与であれば、110万の非課税枠を超えた部分に対して平成26年現在1000万超で最高税率50%と、かなり高いハードルです。
税金のことだけ考えると、50%であれば相続まで待つのとなんら変わらないため事前に移転する意味合いが薄くなってしまいます。
※実効税率といく考え方もありますが、ここでは大まかな話としてとらえてください。
後で書きますが、自社株の譲渡は税率が一律20%です。
ですから、20%と一つの目安として贈与を考えるのはいいでしょう。
一方、相続時精算課税制度であれば2,500万超に対して一律20%で移転できます。
もちろん、最後相続のときに持ち戻して課税されますが、贈与時の価格で戻すことが
できます。
また、贈与して後継者に配当を支払えば、納税資金対策などを進めることもできます。
評価を下げる対策を打って下がった時点であれば、一定の効果はあると言えるでしょう。
いずれにせよ、後継者には贈与税の負担が生じますのでその調達も課題になります。
譲渡は、いつ、だれに、いくらで売るかによって適正価格の計算方法や課税の方法が変わります。
譲渡先によって異なる価格と税金
ここは難しいですが、よく読んで理解してください。
個人が自社株を譲渡するとき、税務上の適正額が複数存在します。
売買価格は両者間で話し合いをして合意した価格となります。
しかし適正額に比べて低額譲渡になると、さらに課税の問題が発生します。
例えば、後継者個人に低額譲渡すれば、後継者に贈与税が発生します。
会社であれば、受贈益として法人税の対象になります。
適正額をしっかりと把握して売買価格の検討をする必要があります。
後継者個人に譲渡するケース
価格は、「相続税評価額」になります。
その会社の本来の評価額になりますので、対策を打てば一定のコントロールができると言えます。
譲渡したオーナーには、譲渡益課税として「20%の分離課税」の対象となります。
第三者に譲渡するケース
特例的評価方式に当たる人や、従業員持ち株会など「第三者」に譲渡する場合、配当還元方式での評価になります。
したがって、相当安い金額での譲渡が可能です。
とはいえ、経営権の問題がありますから限定された株数ということにはなります。
また、オーナーや後継者が仮に買い戻す場合は通常の相続税評価額になる点には注意が必要です。
譲渡するオーナーには、譲渡益課税として「20%の分離課税」の対象となります。
自社株を発行した会社への譲渡
この場合は、価格は「時価評価」になります。
時価評価とは、通常の相続税評価額ではありません。
以下の条件で計算した価格になりますので、相続税評価額に対して高額になることがほとんどです。
①小会社として評価します。つまりほとんどを純資産価額で計算します。
②会社が保有す株や土地などの資産は時価評価します。
③純資産計算上、含み益に対する38%控除ができません。
譲渡するオーナーには、「みなし配当所得」として他の所得と合算して総合課税の対象となります。
したがって、最高税率50%(配当控除があるので実効税率はさがりますが)と高額な課税となります。
但し、相続開始から3年以内に発行会社に譲渡する(金庫株といいます)場合に限り、通常の譲渡益に対して「20%分離課税」となります。
高額な時価で譲渡することで、相続税の納税資金を確保できるともいえます。
自社株を持ち株会社等別会社に譲渡
同じく、「時価評価」となりますが、オーナーへの課税は、譲渡益に対して「20%分離課税」となります。
低額譲渡に注意
個人から個人への譲渡で低額譲渡となった場合、譲渡された側は安い分を「贈与」されたものとして贈与税が課税されます。
譲渡した側には特に何もありません。
しかし、個人から会社への低額譲渡は「みなし時価譲渡」とされ、トリプル課税されるので注意が必要です。
個人間は、相続税評価額よりも低いと譲渡を受けた側に贈与税がかかるのみです。
法人への譲渡は、みなし譲渡とみなされると「時価で譲渡」したものとみなされ、トリプル課税が発生します。
①オーナーにみなし譲渡所得税
②法人に受贈益
③他の株主にみなし配当課税
時価の1/2以上であれば、税法上は問題ないという見方もあります。
しかし、「行為計算の否認」という取扱いには注意が必要です。
同族会社は、株主と経営者が同じであるために会社の取引と個人の取引を混同してしまう傾向があります。
なので、法人税法で税負担を不当に減らすことを目的とした取引や計算を適正化するために「行為計算の否認」の取り扱いがあるのです。
要は、適正な取引価格で行われたものとみなして、法人税などを計算することになってしまうのです。
このあたりを踏まえて、譲渡価格の設定をする必要があります。
なお、後継者や譲渡先の法人には買い取り資金が必要ですので、資金調達が課題になります。
また、オーナー本人には後継者からの資金が入りますので所得税が発生します。
オーナーの財産そのものは行って来いで変わらないため、相続税の問題は引き続き残っているということになる点も注意が必要です。
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