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詳細はこちらへ ※無料メルマガは巻末に案内があります。銀行格付けと決算書の関係を理解しよう
会社にとって、銀行融資を受けられるかどうか?は何よりも重要です。
借りたいときに借りられないことは、会社の”突然死”を招くことさえあるからです。
いつでも貸してもらえる状況を作っておくことは、会社のリスクマネジメントの一つといえます。
銀行は何をどう見ているのか?
銀行は、会社の決算書を入手すると次の流れで評価していきます。
①財務スコアリングモデルを使った定量評価
②定性評価
③実態調整
つまり、まずは決算書をありのままで分析し評価者の主観も加えて評価したうえで、不良在庫など実態に合わせて決算書の数字をひきなおして評価していきます。
このなかでもウエイトには違いがあります。
①③90%
②±10%程度
つまり、何よりも決算書は重要なのです。
決算書をどう作るか?はお金を借りられる会社になるための必須ノウハウといえます。
①定量評価
定量評価とは、3期分の決算書をもとに行われます。
決算書の勘定科目、金額をそのまま入力するありのままの自動評価です。
したがって、そこに恣意的な要素が入り込む余地はありません。
ここで基準としているのが、”スコアリングモデル”という基準であり、簡単に言えば財務分析です。
問題は、どの財務指標が使われているか?
ということになりますが、これは銀行によっても異なり、かつその配点までの詳細はわかりません。
考えてみれば当然ですが、どう評価されるかがわかってしまえばそれを意識した決算書が作られてしまうことも考えられるからです。
しかし、それがわからなくても方法はあります。
それは、
一般的な財務指標のうち、特に重要なものを良くしておく
ということです。
特に重要なものは何か?
大きく3つに分かれます。
①収益性をみるもの
②安全性を見るもの
③債務返済能力を見るもの
①を示すものとしては
・売上総利益率
・営業利益率
・経常利益率
これらは、売上を上げ、原価や販管費を下げることでよくなる数値です。
当たり前といえば、当たり前です。
②を示すものとしては
・自己資本比率
・流動比率
・固定長期適合率
これらの基本は、資産はより現金化しやすいものへ、負債はより長期で返すものへ。
が基本です。
現金が多く、支払はゆっくりの会社のほうが安定しているということです。
③を示すものとしては
・債務償還年数
となります。
つまり、借りたお金をどのくらいで返す力があるかどうかです。
これは、負債を減らし運転資金を増やすのが基本です。
それぞれの具体的な方法は別で書いていきますが、まずこれらの指標でほとんど評価されてしまうことを押さえておいてください。
②定性評価
数字には表れない主観的なものを評価します。
例えば、
・業界の動向、特性
・その会社の特性
・経営者の資質
同じ業界でも、会社によって強み弱みは異なります。
また、経営者の資質によって企業は大きく変化します。
経営者が投機的取引などを行っているなどは、大きなマイナスです。
そのため、銀行員は会社の実態を把握するために経営者の話を聞いたり、工場や現場を自分の目で見たりするわけです。
従業員の働きぶり、あいさつ、整理整頓ぶりをみれば経営者の姿勢がわかります。
良い銀行員ほど、話をよく聞き、その会社の将来をよりよくみてくれるのです。
その会社の将来を予測するうえで、この主観的評価も重要な役割を果たしているといえるのです。
③実態調整
①において、決算書の数字をそのまま使っていますが、この数字が必ずしも実態と合っているとは限りません。
・回収できない売掛金
・長期で滞留している在庫
・手形に不渡手形がないかどうか
・未収入金の中に回収不能なものはないか
・有価証券で含み損をかかえているものはないか
・貸付金で回収不能なものはないか
こういった視点で決算書を実態に合わせるわけです。
回収できない売掛金は当然控除され、流動資産が少なくなります。
このように引き直した結果、
・実は自己資本比率が大幅に下がってしまった
・債務償還年数が長くなってしまった
・債務超過に陥り、解消するまでの年数が長い
となると、途端に格付けは落とされることになります。
この実態調査は、結局人が行うことです。
担当者次第でよくも悪くもなるといえます。
したがって、実態を正確に知ってもらうためにアピールすべきことはどんどんすべきなのです。
※保険や共済など、含み益のあるものは決算書に出てきません。
こうしたものも本来アピールすべきポイントです。
このような3ステップを経て、会社の格付けが決定されます。
格付けの内容
主に以下のように区分されます。
・正常先
・要注意先
・要管理先
・破綻懸念先
・実質破綻先
・破綻先
この中で、実質破綻先と破綻先は、無担保で貸している金額全額を損失計上行わなければなりません。
また、要管理先で十数%、破綻懸念先で数十%の損失計上しなければなりません。
(要注意先は数%、正常先は0.1%程度)
要は、要管理先、破綻懸念先になると、貸してもらえないということです。
実際に破たんするかは別に、格付がそうなった瞬間に損失がでるわけです。
事実上、新規貸し付けが受けられるわけがないのです。
ボーダーラインにいる会社は、このことを強く意識する必要があるということです。
このように、銀行との関係において決算書は何よりも重要であり、借りやすい決算書であることは安定した企業運営に不可欠といえるのです。
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