有料メルマガ”社長と会社の手残り最大化コンサルタント養成講座”スタート
詳細はこちらへ ※無料メルマガは巻末に案内があります。毎月分配型ファンドはなぜ売れてしまうのか?
毎月分配型ファンドが相変わらず売れています。
実に、日本で買うことのできる投資信託の約7割がこの毎月分配型ファンドという状況です。
これはなぜでしょうか?
答えは、分配金がたくさんもらえるから。
分配金が出る=そのファンドが優秀で成績がいい
この式が成り立つのであれば、そのファンドはずっと持っているべきです。
でも実際はそうではありません。
優秀じゃなくても分配金をいっぱい出せる。
これが成り立つので問題なのです。
では、そんなことが成り立ってしまうのはどうしてか?
ちゃんと説明できますか?
プロのFPならば、毎月分配型ファンドをすべて「タコ足ファンド」としてバッサリ批判するようなレベルの低いことはしてはいけません。
この辺りをしっかり理解してプロを演出しましょう。
毎月分配型ファンドが外貨建債券を投資対象にしている理由
まず投資信託のルールをしっかりと理解します。
会計上、投資信託全体の収益状況に関係なく、債券などからの配当金収入等、つまり安定してもらえることが想定できる収入から「管理費用(つまり信託報酬のこと)」を差し引いた額を「分配原資」とすることができると定められています。
分配金を出すためには、この会計上の分配原資さえあればいいんです。
実際には運用が失敗してもうけが全くなくても、会計上の原資さえあれば分配金を出すことができます。
昨今、分配金をださないと投資信託はなかなか売れません。
そういう状況においては、何としても分配金をたくさん出すファンドを作るバイアスがかかります。
そのためには、コストを大きく上回るインカム収入が必要ということになります。
つまり、高い利息や配当が見込める資産ということになるので、
・外貨建て債券(国債、社債)
・海外REIT
あたりが多くなってきます。
日本に比べて高い利回りを期待できることと、外貨建て資産であるために、為替差益も期待できます。
さらに債券、REITのキャピタルゲインがあればそれも「分配原資」に積み上げられます。
金利が下がっていく局面や地価が上がっていく局面、円安局面にある時には「会計上の分配原資」はさらに大きく積み上がっていくことになっていくわけです。
そうしておけば、たとえ実際の運用がうまくいかなくても分配金を維持することができるわけです。
但し、会計上の分配可能額とはもちろん現金をプールしているわけではありません。
分配金として払い出す現金がなければ、保有する資産を売却して現金をつくらなければなりません。
こうして投資信託の資産から資金が流出していくわけです。
多くの人が勘違いをしている現状
ところが、多くの方は分配金を預金利息と同じ性質だと勘違いしていることが多いのが実態です。
元本が確保されつつ、儲かった分が払いだされていると。
なのでたくさん分配金が出るファンドが売れるわけです。
こうして、日本で販売されている投資信託のうち、約7割が毎月分配型という状況が生まれています。
また、言葉も誤解を与えてきました。
今では元本払戻金ということになりましたが以前は元本を取り崩して支払う分配金を【特別分配金】として、なにか特別なわけ前と誤認させるような形で払い出していました。
あまりに誤認をあたえていたので、さすがに改正がはいりましたが、それでもまだまだ勘違いしている人は多いでしょう。
分配金が普通分配金か、元本取り崩しなのかは人によって違う?
例えばあなたがあるファンドを購入していて、分配金が元本払戻金50円と通知をもらった場合、このファンドを買っているすべての人も元本払戻金なのでしょうか?
答えは人によって違います が正解です。
ほとんどすべての毎月分配型投資信託は、「追加型投資信託」という商品形態で、つまりいつでもその時の基準価格で購入、解約が可能です。
つまり、投資元本は、同じファンドであっても購入時期によってバラバラなのです。
個別元本形式
税法上公平性を図るために、今では投資している人ごとに【個別元本を把握する】ことになっています。
しかしながら、運用会社からすれば個別元本に対して含みが出ている人にだけ分配金をだすという煩雑なオペレーションは実質不可能であり、すべての人に一律に支払っています。
つまり、今月の基準価格が5000であって、80円の分配金を受け取った場合、投資元本が5000円以下の人は普通分配金として受け取りますが、投資元本が5000円以上の人は元本取り崩しとしてうけとるわけです。
同じ「分配金」が、ある投資家にとっては「収益分配」であり、ある投資家にとっては「元本の取り崩し」になってしまうわけです。
結論から言えば、たこあしファンドといって毎月分配型投資信託を一律に否定するのはナンセンスです。
ただ、無理をしているファンドはだめです。
無理はいつまでも続かないからです。
例えば、日本でかなりの残高の多いファンドを例にみてみます。
あるときの月報より
基準価格:5,202円
分配金:70円
基準価格月間騰落の内訳
キャピタルロス ▲62円
受取利息 26円
為替 76円
信託報酬 ▲8円
分配金 ▲70円
トータル ▲38円
このファンドの平均直利は6.0%という記載があります。
このファンドの安定して出せる分配金はいくらでしょうか?
結論から言うと、このファンドが安定的に出せる分配金は26円程度です。
為替で儲かった分を考えても32円です。
でも、実際は70円出しています。
こうして基準価格は減っていきます。
すべての投資信託の基準価格は10,000円からスタートします。
今の基準価格はこうして無理を続けた結果であるともいえるのです。
投資元本が減っていることは、環境が良くなったときにあまり増えないという事象で自分に還ってきて来てしまいます。
無理を見抜いて、安定的に分配金を出せるファンドを勧めるべきといえるでしょう。
安定的に分配金を出せるファンドを見抜く方法はこちらへ→過大な分配金を見抜く方法
スポンサードリンク
毎月分配型ファンドはなぜ売れてしまうのか? 合わせて読みたい
- 日本の投資信託の現状
- なぜ人は損をするのか?
- 投資信託の見直しサービスはブルーオーシャン
- 長期投資でリスクは減るのか?
- ドルコスト平均法の完全理解①
- ドルコスト平均法の完全理解② 限界
- あなたは投資信託をプロらしく説明できてますか?
- 投資信託にかかる税金を説明できますか?
- 一般口座と特定口座 どっちで口座開設してもらうか?
- 投資信託の見直しサービスのゴール
- リスクの説明の仕方
- 残高報告書で見るべきポイントは
- 過大な分配金を見抜く方法
- 自分のリスク許容度を知る方法
- 投信分析に必要なスキル① 資産クラスを見極める
- 運用成績を改善させる解決のヒント
- 為替の考え方
- NISAの活用法を考えてみました
- デュレーション